丸っこくてコロコロした犬を見ると「可愛い」と思ってしまいますよね。しかし、犬の肥満は人間のそれ以上に健康リスクが高いということをご存じでしょうか。
日本の犬の約3〜4割が肥満または肥満傾向にあると言われています。つまり、3頭に1頭は太りすぎている計算です。「ぽっちゃり可愛い」で済ませてしまうには、あまりにもリスクが大きいのです。
この記事では、犬が太る原因から適正体重の判断方法、具体的なダイエット方法まで、飼い主さんが知っておくべき情報をすべてまとめました。「うちの子、ちょっとぽっちゃりかも?」と感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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犬の適正体重の判断方法(BCS)
犬の体型を客観的に評価する方法として、ボディ・コンディション・スコア(BCS)があります。1〜9の9段階(または1〜5の5段階)で評価します。
5段階BCSの目安
| BCS | 状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1 | 痩せすぎ | 肋骨、腰骨が見える。脂肪が触れない |
| 2 | やや痩せ | 肋骨が容易に触れる。くびれがはっきり |
| 3 | 理想体型 | 肋骨は軽く触れる。腰にくびれがある |
| 4 | やや肥満 | 肋骨が触りにくい。くびれが不明瞭 |
| 5 | 肥満 | 肋骨が触れない。くびれがない。腹部が垂れている |
自宅でできる簡単チェック
- 肋骨チェック:犬の横腹を軽くなでて、肋骨が感じられるか確認します。脂肪の下に肋骨がうっすら触れるくらいが理想です
- くびれチェック:犬を上から見て、腰のあたりにくびれがあるか確認します。寸胴体型であれば要注意です
- 横から見る:お腹が地面と平行、またはたるんでいたら太りすぎの可能性があります
長毛種の場合は見た目だけでは判断しにくいため、実際に触って確認してみてください。

犬が太る主な原因
1. 食べすぎ(カロリーオーバー)
一番多い原因はシンプルに食べすぎです。フードの量を「なんとなく」で与えていませんか?
- フードのパッケージに書かれている量は「目安」であり、犬によって適量は異なります
- おやつの量を計算に入れていないケースが多いです
- 人間の食べ物をちょこちょこ与えてしまうことも原因になります
- 家族それぞれがおやつをあげている(トータルで大量になる)ことも
2. 運動不足
散歩の時間が短い、室内でほとんど動かないなど、消費カロリーが足りていないケースです。特に小型犬は「室内で十分」と思われがちですが、適度な運動は必要です。
3. 避妊・去勢手術後
避妊・去勢手術をすると、ホルモンバランスの変化で基礎代謝が20〜30%低下すると言われています。手術前と同じ量のフードを与えていると、ほぼ確実に太ります。
4. 年齢による代謝低下
7歳を超えたあたりからシニア期に入り、基礎代謝が徐々に落ちていきます。若い頃と同じ食事量だと太りやすくなります。
5. 病気が原因のケース
まれに、甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの内分泌疾患が原因で太ることがあります。ダイエットしても全く痩せない場合は、動物病院で検査してもらいましょう。
犬の肥満が引き起こす健康リスク
「ちょっと太っているだけ」と軽く考えるのは危険です。犬の肥満は以下のような深刻な病気のリスクを高めます。
- 関節疾患:膝蓋骨脱臼、椎間板ヘルニア、変形性関節症。体重が増えると関節への負担が倍増します
- 心臓病:心臓に余計な負担がかかります
- 糖尿病:インスリン抵抗性が高まります
- 呼吸器疾患:特に短頭種は肥満で呼吸がさらに困難になります
- 肝臓疾患:脂肪肝のリスクが上昇します
- 寿命の短縮:研究では、適正体重の犬は肥満の犬より平均2年以上長生きするというデータもあります
「2年以上」という差は、犬の生涯を考えると非常に大きな数字です。適正体重の維持が、愛犬と少しでも長く一緒に過ごすための鍵になります。
太りやすい犬種
遺伝的に太りやすい犬種がいます。以下の犬種は特に食事管理に気をつけましょう。
- ラブラドールレトリバー
- ゴールデンレトリバー
- ビーグル
- ダックスフンド
- パグ
- コーギー
- キャバリア
- シェットランドシープドッグ
特にラブラドールは「食欲遺伝子」とも呼ばれるPOMC遺伝子の変異があることが研究で判明しており、満腹感を感じにくいとされています。際限なく食べてしまうため、特に注意が必要です。
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犬のダイエット方法【食事編】
1. フードの量を正確に計る
まず最初にやるべきは、フードの量を計量カップや計りできっちり計ることです。「目分量」が一番の敵です。目分量だと思っているより多く入れていることが非常に多いです。
現在の体重ではなく、理想体重に対する適量を与えましょう。フードのパッケージの表示は理想体重ベースで確認してください。
2. おやつのカロリーを意識する
おやつは1日の摂取カロリーの10%以内に抑えましょう。そして、おやつを与えた分だけフードの量を減らします。
低カロリーなおやつとしておすすめなのは以下です。
- 茹でたブロッコリー
- にんじんスティック
- きゅうり
- りんご(少量)

3. ダイエット用フードに切り替える
「減量用」「体重管理用」と表示されたフードは、カロリーが低く、食物繊維が多い配合になっています。同じ量を食べても摂取カロリーを抑えられるため、犬も満足しやすくなります。
切り替えは1〜2週間かけて徐々に行ってください。急に変えるとお腹を壊すことがあります。
4. 食事の回数を増やす
1日の食事量は変えずに、回数を2回から3回に増やすのも効果的です。こまめに食べることで空腹感が軽減されます。
5. 人間の食べ物を与えるのをやめる
「ちょっとだけ」が積み重なると相当なカロリーになります。家族全員に「犬にはフードとおやつ以外あげない」というルールを徹底しましょう。あの「ちょうだい」の目に負けてしまう気持ちは分かりますが、ここは心を鬼にしてください。
犬のダイエット方法【運動編】
散歩の時間を増やす
急に激しい運動をさせるのはNGです。特に肥満の犬は関節に負担がかかりやすいため、ゆっくり歩く時間を少しずつ延ばすのが安全です。
- 最初は今までの散歩時間に5〜10分プラスする程度から
- 慣れてきたら徐々に距離を伸ばす
- 坂道や階段は避けるか、慎重に進める
水中運動(ハイドロセラピー)
関節への負担が少ない水中ウォーキングやスイミングは、肥満犬のダイエットに最適です。犬用のプールやハイドロセラピー施設がある動物病院もあります。
室内遊びで運動量を確保
- ボール遊び(転がすだけでもOK)
- 知育おもちゃでフードを少しずつ出すようにする
- かくれんぼ(おやつを隠してノーズワーク)
ダイエット中の注意点
- 急激な減量はNG:1週間で体重の1〜2%程度の減量が安全な目安です
- 定期的に体重を測る:2週間に1回は体重を計って記録しましょう
- 獣医師に相談する:ダイエットを始める前に、まず動物病院で健康チェックを受けるのがベストです
- 家族全員で取り組む:一人がこっそりおやつをあげていたら意味がありません
犬の肥満と健康管理について、環境省の「動物の愛護と適切な管理」のページも参考にしてください。また、ペットの栄養管理については農林水産省の「ペットフードの安全確保について」でも情報が公開されています。
ダイエット成功のための現実的なスケジュール
安全なダイエットには時間がかかるということを覚悟しておきましょう。「1ヶ月で理想体重に」というのは現実的ではありません。
目安のスケジュール
| 期間 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 動物病院で健康チェック。現在の体重と理想体重を確認 |
| 2〜3週目 | フードの量を調整。おやつの種類を変更 |
| 1〜2ヶ月目 | ダイエット用フードへの切り替え完了。散歩時間を少しずつ増加 |
| 3〜6ヶ月目 | 継続。2週間ごとに体重を測定。変化が少なければ獣医師に相談 |
| 6ヶ月〜 | 目標体重に近づいてきたら、維持用のフード量に調整 |
犬種や体格にもよりますが、3〜6ヶ月で理想体重の90%くらいに到達できれば順調です。

まとめ:ダイエットは愛犬への最高のプレゼント
犬のダイエットは、飼い主の「かわいそう」という気持ちとの戦いでもあります。おやつを欲しがる目を見ると、つい与えたくなる気持ちは十分に理解できます。
しかし、肥満を放置することで病気になったり、寿命が縮まるほうがよほど「かわいそう」です。
適正体重を維持することは、愛犬と一緒に過ごせる時間を延ばすことにつながります。ダイエットは愛犬への最高のプレゼントだと考えて、ぜひ取り組んでみてください。
※この記事は記事執筆時点の情報に基づいています。ダイエットを始める前に必ずかかりつけの獣医師に相談してください。持病がある犬は、食事内容や運動量について専門家の指導を受けることをおすすめします。
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