愛犬に市販のドッグフードだけでなく、手作りのごはんも食べさせてあげたいと考える飼い主さんは増えています。
しかし実際にやろうとすると、「栄養バランスが崩れたらどうしよう」「何を入れたらいいかわからない」という不安が出てくるのも当然です。犬と人間では必要な栄養素がまったく異なるため、正しい知識がないと体調を崩してしまうこともあります。
この記事では、手作りドッグフードで最低限押さえておくべき栄養バランスの考え方と、初心者でもすぐに始められるポイントをまとめました。レシピ例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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犬に必要な5大栄養素をまず知ろう
犬が健康に生きていくために必要な栄養素は、大きく分けて以下の5つです。
1. タンパク質
筋肉・被毛・内臓など、体を作る最も重要な栄養素です。犬は人間よりもタンパク質の要求量が高いため、手作りごはんでは全体の約30〜40%をタンパク質源にするのが目安です。鶏肉・牛肉・豚肉・魚・卵などが代表的な食材です。
2. 脂質
エネルギー源になるだけでなく、皮膚や被毛の健康維持にも欠かせない栄養素です。オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸のバランスも大切で、魚油やえごま油を少量加えると効果的です。全体の10〜15%くらいが目安になります。
3. 炭水化物
犬はそこまで炭水化物を必要としませんが、エネルギー源と食物繊維の供給源として適度に取り入れるのは効果的です。白米・さつまいも・かぼちゃあたりが消化しやすくおすすめです。全体の20〜30%くらいが目安です。
4. ビタミン・ミネラル
手作りごはんで一番難しいのがここです。特にカルシウムとリンのバランス(1:1〜2:1が理想)は非常に重要です。ビタミンAやビタミンDの過剰摂取も危険なので、サプリメントで補う場合は量に十分注意してください。
5. 水分
手作りごはんのメリットの一つが、ドライフードと比べて水分をたっぷり摂れることです。スープ仕立てにしたり、水分の多い食材を使うと水分摂取量がアップします。

手作りドッグフードで使ってOKな食材・NGな食材
使ってOKな食材
肉類:鶏むね肉、鶏もも肉、ささみ、牛赤身、豚赤身(必ず加熱)、馬肉、鹿肉
魚類:サーモン、タラ、アジ(骨を取り除くこと)
野菜:にんじん、ブロッコリー、かぼちゃ、さつまいも、小松菜、白菜、キャベツ
穀物:白米、玄米(消化しにくいので少量)、オートミール
その他:卵(加熱)、豆腐、納豆(少量)、無糖ヨーグルト
絶対NGな食材
玉ねぎ・ニラ・ニンニク:溶血性貧血の原因になります。加熱しても毒性は消えません。
チョコレート・ココア:テオブロミンが犬には有毒です。
ブドウ・レーズン:急性腎不全を引き起こす可能性があります。
キシリトール:低血糖や肝障害の原因になります。
アボカド:ペルシンという成分が犬に有害です。
生の豚肉:トキソプラズマやE型肝炎のリスクがあります。
初心者向け!栄養バランスの整え方3ステップ
ステップ1:まずは「肉6:野菜2:穀物2」の黄金比で始める
いきなり完璧な栄養バランスを目指す必要はありません。最初は重量比で肉類6割・野菜2割・穀物2割くらいのバランスで作ってみましょう。これだけでも、かなりバランスの良いごはんになります。
ステップ2:カルシウム補給を忘れない
手作りごはんで最も不足しやすいのがカルシウムです。肉類にはリンが多く含まれますが、カルシウムはほとんど入っていないため、意識的に補う必要があります。卵の殻パウダー(細かく砕いて加熱殺菌したもの)や犬用カルシウムサプリを少量加えるのが手軽です。
ステップ3:オイルを少量プラスする
えごま油、亜麻仁油、フィッシュオイルなどを小さじ半分〜1杯くらい(体重による)加えると、オメガ3脂肪酸が補えて皮膚・被毛の健康維持に効果的です。酸化しやすいので、食べる直前にかけるのがポイントです。

簡単レシピ例:鶏むね肉と野菜のバランスごはん
材料(体重5kgの犬1食分の目安):
- 鶏むね肉…80g
- にんじん…15g
- ブロッコリー…15g
- さつまいも…30g
- 白米(炊いたもの)…20g
- 卵殻パウダー…小さじ1/4
- えごま油…小さじ1/2
作り方:
- 鶏むね肉を一口大に切り、水から茹でる
- にんじん・さつまいもは小さく切って一緒に茹でる(柔らかくなるまで)
- ブロッコリーは小房に分けて軽く茹でる
- すべての材料を細かく刻んで混ぜ合わせる
- 人肌程度に冷めたら卵殻パウダーとえごま油を加えて完成
茹で汁も一緒にかけてあげると、水分補給にもなり風味も良くなります。
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手作りドッグフードで気をつけるべきポイント
毎食完璧じゃなくてもOK
1食ごとに完璧な栄養バランスを実現するのは、プロでも難しいことです。大事なのは「1週間〜2週間のトータルでバランスが取れていること」です。今日は肉メインなら明日は魚メイン、というようにローテーションすると自然とバランスが整います。
いきなり完全手作りに切り替えない
今まで市販フードだけだった子にいきなり完全手作りにすると、お腹を壊すことがあります。最初は市販フードに手作りトッピングを乗せるところから始めて、2〜3週間かけて徐々に手作りの割合を増やしていくのがベストです。
定期的に健康チェックをしよう
手作りごはんに切り替えたら、3ヶ月に1回くらいは獣医師のもとで血液検査を受けるのがおすすめです。栄養の過不足が数値に出るため、早めに修正できます。
体重管理も大切
手作りごはんは嗜好性が高いため、食べすぎて太ってしまうこともあります。愛犬の体重を週1回くらいは計測して、適正体重をキープしましょう。AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準では、成犬の1日に必要なカロリーは体重1kgあたり約50〜130kcalとされています(活動量による)。

サプリメントで栄養を補完する方法
手作りごはんだけでは不足しがちな栄養素をサプリメントで補う方法もあります。特に以下の栄養素は意識して補いたいところです。
- カルシウム:卵殻パウダーや犬用カルシウムサプリ
- 亜鉛:犬用マルチビタミンサプリに含まれることが多い
- ビタミンD:犬は日光からビタミンDを合成しにくいので食事から摂取が必要
- ビタミンE:抗酸化作用があり、手作り食の酸化防止にも効果的
ただし、サプリの与えすぎは逆に健康を害する可能性があります。特にビタミンAやビタミンDは脂溶性で体に蓄積するため、過剰摂取に注意が必要です。用量は必ず守ってください。
手作りごはんのメリット・デメリットまとめ
メリット
- 食材が自分の目で確認できるので安心
- 愛犬のアレルギーや好みに合わせて調整できる
- 水分たっぷりで腎臓に優しい
- 食いつきが格段に良くなることが多い
デメリット
- 栄養バランスの管理が難しい
- 毎日の手間と時間がかかる
- 食材費が市販フードより高くなりがち
- 保存期間が短い(冷蔵で2〜3日、冷凍で2週間程度)
参考になるサイト・情報源
手作りドッグフードをもっと深く知りたい方は、以下のサイトも参考にしてみてください。
- AAFCO(米国飼料検査官協会)公式サイト – ペットフードの栄養基準を定めている権威ある団体
- 日本ペット栄養学会誌(J-STAGE) – 犬猫の栄養に関する学術論文が読める
- 環境省 動物の愛護と適切な管理 – ペットの飼育全般に関する公的な情報源
まとめ:無理せず「楽しい手作りごはん」を続けよう
手作りドッグフードの栄養バランスは確かに気を使うポイントが多いですが、完璧を目指しすぎてストレスになったら本末転倒です。
まずは「肉6:野菜2:穀物2」の比率を意識して、カルシウムとオイルをプラスするところから始めてみましょう。慣れてきたら食材のバリエーションを増やしたり、愛犬の体調に合わせて調整していけば大丈夫です。
不安なことがあれば、かかりつけの獣医師に相談するのが一番確実です。定期的な血液検査で栄養状態をチェックしながら、愛犬と一緒に手作りごはんライフを楽しんでいきましょう。

※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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