猫を迎えたら必ず検討することになるのが避妊・去勢手術です。「手術って聞くと不安」「費用はどのくらいかかるの?」「いつ頃やるのがベストなの?」といった疑問を持つ飼い主さんは非常に多いのではないでしょうか。
避妊・去勢手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、猫の健康リスクを大幅に減らす重要な医療行為です。特にメス猫の場合、初回発情前に手術をすることで乳腺腫瘍の発症リスクが約90%以上低下するというデータもあります。
この記事では、猫の避妊手術(メス猫)と去勢手術(オス猫)の両方について、費用・時期・メリット・デメリット・術後ケアまでしっかり解説していきます。

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避妊手術と去勢手術の違い
避妊手術(メス猫)
卵巣のみを摘出する「卵巣摘出術」と、卵巣と子宮を両方摘出する「卵巣子宮摘出術」の2種類があります。日本では卵巣子宮摘出術が一般的です。開腹手術になるため、去勢手術と比べると体への負担がやや大きくなります。
去勢手術(オス猫)
精巣を摘出する手術です。切開が小さく、多くの場合は縫合も不要です。避妊手術と比べると手術時間が短く、回復も早いのが特徴です。
避妊・去勢手術の費用相場
メス猫の避妊手術
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 手術費用 | 15,000〜40,000円(平均20,000〜30,000円) |
| 術前検査(血液検査など) | 3,000〜10,000円 |
| 入院費(1〜2泊の場合) | 2,000〜5,000円/泊 |
| 抜糸 | 0〜3,000円(溶ける糸の場合は不要) |
| エリザベスカラー | 500〜2,000円 |
| 合計目安 | 20,000〜50,000円 |
エリザベスカラーは病院で用意してもらえることも多いですが、サイズが合わないと猫が嫌がります。軽量タイプを自宅用に1つ持っておくと、術後の生活がぐっと楽になります。
オス猫の去勢手術
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 手術費用 | 10,000〜25,000円(平均15,000〜20,000円) |
| 術前検査 | 3,000〜10,000円 |
| 入院費 | 日帰りが多い(入院の場合は2,000〜5,000円/泊) |
| 合計目安 | 13,000〜35,000円 |
動物病院によって費用にはかなり幅がありますので、事前に見積もりをもらうことをおすすめします。安すぎる場合は術前検査を省いている可能性もあるため、手術内容をしっかり確認しましょう。
助成金・補助金を活用しよう
多くの自治体が猫の避妊・去勢手術に対する助成金を設けています。金額は5,000〜15,000円程度が一般的です。お住まいの自治体のホームページで確認するか、役所の動物愛護担当窓口に問い合わせてみてください。申請期限や予算枠があるため、早めのチェックが重要です。
避妊・去勢手術の最適な時期
メス猫の場合
推奨時期:生後6ヶ月〜最初の発情前
メス猫の初回発情は生後4〜12ヶ月頃(個体差あり)です。最初の発情前に避妊手術をすると、乳腺腫瘍の発症リスクが約90%以上低下するというデータがあります。2回目の発情後だと予防効果が大幅に低下するため、できれば初回発情前が理想的です。
オス猫の場合
推奨時期:生後6ヶ月〜1歳
マーキング(スプレー行為)が始まる前に去勢手術をするのが理想です。一度マーキングの習慣がついてしまうと、去勢後もクセとして残ることがあります。生後6ヶ月頃には精巣が十分に発達しているため、手術が可能になります。
早期避妊・去勢について、海外では生後2ヶ月で手術を行うケースもありますが、日本では体が十分に成長してからの手術が一般的です。かかりつけの獣医師と相談して、愛猫に最適なタイミングを決めましょう。
避妊・去勢手術のメリット
メス猫の避妊手術のメリット
- 望まない妊娠を防げる:完全室内飼いでも脱走のリスクはゼロではありません
- 乳腺腫瘍の予防:初回発情前の手術で発症リスクを大幅に低下できます
- 子宮蓄膿症の予防:子宮を摘出するため発症の可能性がなくなります
- 発情に伴うストレスの解消:大声で鳴く、落ち着かない、食欲低下などがなくなります
- 発情期の脱走リスクの低下
オス猫の去勢手術のメリット
- マーキング(スプレー)の予防・軽減:あの強烈な匂いの問題を解消できます
- 攻撃性の低下:他の猫とのケンカが減ります
- 放浪・脱走リスクの低下:メス猫を求めて外に出たがる行動が抑えられます
- 精巣腫瘍の予防
- 猫エイズ(FIV)の感染リスク低下:ケンカによる咬傷感染が減るためです

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避妊・去勢手術のデメリット・注意点
太りやすくなる
手術後はホルモンバランスの変化で基礎代謝が下がります。食事量をそのままにしていると肥満になりやすいため、手術後は避妊・去勢後用のカロリー控えめフードに切り替えるか、量を10〜15%減らすことを検討しましょう。
全身麻酔のリスク
どのような手術でも全身麻酔にはリスクが伴います。健康な若い猫であればリスクは極めて低い(0.1%程度)ですが、ゼロではありません。術前検査で健康状態をしっかり確認してからの手術が大切です。
元に戻せない
避妊・去勢手術は不可逆的な処置です。一度摘出した臓器は戻せないため、将来的に繁殖を考えている場合は慎重に判断する必要があります。
手術の流れ
手術前
- 事前診察・相談:手術の方法、リスク、費用について獣医師と確認します
- 術前検査:血液検査で全身状態を確認します(麻酔に耐えられるかどうかの判断)
- 前日の絶食:手術の12時間前から絶食、6時間前から絶水が一般的です(病院によって異なります)
当日と退院時の2回、猫を運ぶことになります。術後は体を安定させたいので、底がしっかりしたハードタイプのキャリーがあると安心です。
手術当日
- 朝に動物病院に預ける
- 全身麻酔下で手術(メス猫:30〜60分、オス猫:15〜30分程度)
- 術後の経過観察
- オス猫は当日退院できることが多く、メス猫は1泊入院が一般的
手術後
- 退院時に術後の注意点と薬の説明を受ける
- エリザベスカラーまたは術後服を装着
- 7〜10日後に抜糸(溶ける糸の場合は不要)
カラーを極端に嫌がる子には、傷口を覆うタイプの術後服という選択肢もあります。どちらを使うかは獣医師と相談して決めてください。
術後のケア方法
傷口を舐めさせない
エリザベスカラーか術後服は、獣医師の指示があるまで外さないでください。猫が傷口を舐めると感染や縫合部の裂開の原因になります。
安静に過ごさせる
手術後1週間くらいは高いところからのジャンプや激しい運動を控えさせましょう。ケージの中で過ごさせるのがベストです。
食事と排泄の確認
術後は食欲が落ちることもありますが、24時間以上食べない場合は動物病院に相談してください。排尿・排便の状態も合わせて確認しましょう。
傷口の状態チェック
毎日傷口を観察して、腫れ、赤み、膿、出血がないかを確認します。異常が見られたらすぐに動物病院を受診してください。
術後に猫がぐったりしている、嘔吐が続く、傷口から出血が止まらないなどの症状が見られた場合は、すぐに動物病院に連絡してください。自己判断で様子を見ることは避けましょう。

まとめ:避妊・去勢手術は愛猫の健康と幸せのために
避妊・去勢手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、愛猫の健康リスクを大幅に減らす意味があります。特に乳腺腫瘍や子宮蓄膿症の予防効果は非常に大きいため、繁殖の予定がない場合は積極的に検討したい処置です。
費用は決して安くありませんが、自治体の助成金を活用すれば負担を軽減できます。かかりつけの獣医師とよく相談して、愛猫に最適なタイミングで手術を受けさせてあげましょう。
手術後は太りやすくなるため、食事管理も忘れずに行ってください。愛猫が長く健康に暮らせるよう、飼い主として最善の判断をしてあげることが大切です。
参考:ねこ医学会(JSFM) – 猫の医療に関する専門的な情報
参考:環境省 動物の愛護と適切な管理 – 不妊去勢手術の推奨情報
参考:日本獣医師会 – 手術費用の参考データや獣医療に関する情報
※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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